第04話-3

初戦・・レース開始と同時に大多数のギアが消えた事は、周りの参加者にとっても驚異となった(どうして人が死んでないのかは気にしない~)

ロディはドーマと共に三位ほどの位置につき、デストロイはやや遅れて十位程度の位置・・


すでに、スタート地点の衛星港・ドライセンは見えなくなっていた。

ところで、こういう時はお約束なのだが・・レースに障害はつきものだ

皆の行く手に大型の機雷群が設置されている・・!!


一位のギアがそうとは分からないのか・・突っ込んで、派手に花火になった。

・・どう考えてもギアを破壊・・パイロットごと吹き飛ばせる勢いの機雷群・・


・・そうか、殺害してはいかんと言っても・・トラップによる事故死ならありってことか。


ロディはこのレースの過酷さ、評判通りの危なさを少しだけ理解する


「ちょっと借りるぜ!!」


ゼファーはバーニアを逆噴射して後退すると、例の200メートルほどの大型ギアの「尻尾」を掴んだ(正しくはそれに準ずる形状のパーツ・・)

ぐっ・・と力をこめて・・目が青に変わり、サイシステムがフル稼働する!


「撤去!!」


バットのように振り回された大型ギアが、その身で機雷をたたきつぶし・・一緒に花火になる。


「・・・さ、行くぞメイ、ガンマ♪」

「ふぇー・・(泣)」

「・・・・・・」


今の状況ならイオン・デストロイドキャノンで十分に・・

ガンマはそう漏らしかけたのだが、ロディのあからさまに「悪」な笑みを見て押し留まった


「どんなギアでもどんな罠でもかかってこいやーっっ!!!」


ロディはひたすらに吼え続けていた


『さぁ、一方的なレース展開!!・・トップはユニオン一号機、続いて二号機とシガラキの一号機!!』


アリスの司会ぶりは、誰が聞いているのだろうか?

レースが緊張感を増していくにつれ、参加者達は押し黙っていく


・・ロディとメイの後ろにはギアが一機・・シガラキと言ったか、別のT.C会社のギアのようだ


・・邪魔するなら消してやるが・・まぁいずれデストロイに消される運命だからな・・くく・・


ロディは一掃悪に染まっていった。

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一方・・・

地球は、西安のS.G支部・・


「ぽけ~・・・」


今日も縁側で、ぽけぽけとおてんとさまを眺めるレオネがいた。

・・夏真っ盛り、お茶がおいしい・・

ズレた彼女の隣の部屋では、リィズとラルフ・・そして新入りのメカニック三人が始末書書きに追われていた


「うわーん!!・・どうして俺らまで~・・(泣)」

「あんたらも連帯責任!はい、隊長命令だかんね!!」


リィズは前回の一件・・休日中とはいえ、勝手に任務に参加してなおかつ失敗したと怒られまくっていた。

丁度運悪く手の空いていたメカニックの新米達は、始末書書きに参加させられる事となってしまったのだ


「・・へーわですぅ~・・ねぇ、たいちょ~・・・」

「・・・・ええーいっ!!・・へーわなのはあんたの頭でしょーがっ!!」


突っ込むに突っ込みきれず、リィズのむしゃくしゃ度合いはなおアップしていった・・

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地球、セルムラント・・・メインターミナル・・


ジジイ・・いや、依頼人のゼオ=グローバルという老人は広いベンチに座り、巨大なビジョンモニターを眺めていた

・・特別生中継・・バカなお祭り騒ぎに、カメラも回っていたのだ。


「・・やっとるじゃないか、スタンの大将。」


ゼオはにっ・・と笑みを浮かべた


・・彼の思惑は今のところ不明だが、どうやらレースを楽しむ気はまずあるようだ。

・・まぁ、アクシデント・トラップ満載、なんでもありだし・・エンタテイメント性の高いレースではあるが・・


「がんばれよ・・がんばって優勝してくれよ・・・「今度こそ」・・」

ゼオはモニターから目をそらし、しばし真下の床に目を落とす・・

・・今度こそ、優勝を・・・

彼の右手には、古い・・相当古い時代のギアのキーが握られていた。

型式番号はしっかりと見えないが・・ひとつだけわかることがある


そのギアのキー、おそらくゼオの持ち物であるギアの型番は

・・「70ナンバーズ」だ。

ゼファーと同じ・・ある意味では伝説の番号のギア・・・


ゼオはもう一度モニターを見ると、意味もなく大声で笑い出していた・・。


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